駐車場の質で売上げは変わる!~お客さんに喜ばれる駐車場の7つのチェックポイント~

□■□■□■□■□■□■□■□■

年間で500件以上のお店を調査する『日本一の繁盛店分析マニア』が綴る、物件探しから販売促進・チェーン展開に至るまで、出店戦略ノウハウの極意!

□■□■□■□■□■□■□■□■


今日は、「駐車場」についてのお話です。

 
市街地、郊外の別なく、
「車で来るお客さんをターゲットにする」なら、
駐車場は絶対に欠かせません。
 
ロードサイド立地なのに駐車場が無い、
なんてことになれば、繁盛はほぼ絶望的です。
 
それは、ほとんどの方にとって当たり前だと思います。
 
 


とはいえ、駐車場は、
「あればいい」というものでもありません。
 
 
「無いと話にならない」というだけであって、
結局は、「どんな駐車場なのか」が、
大きく売上げを左右することになる
のです。
 





私が今まで実査してきた事例の中には、
「駐車場があるにはあるが、これでは無いも同然だ」
と感じられてしまうようなものも多くありました。
 
 
他の多くの立地要因と同じく、駐車場についても、
オーナー目線のままでいると、大切なことを、
見失ってしまいがちになります。
 
しっかり、お客さんの気持ちになって考え、
「使いやすい駐車場かどうか」を見極めましょう。
 
 
今回は、そのための7つのチェックポイントについて、
お話していこうと思います。
 
 
 
 
 
 
1.お店の建物と同一の敷地内にあること
 
つまり、

お店と離れたところに駐車場を作っても、
人々は来店してくれません


ということです。
 
もちろん、多少の例外はありますが、
車道を挟んで反対側に設けたり、
店から歩いて5分かかる場所にあっても、
駐車場があることにはなりません。
 
また、まれに・・・・店前や側道に停車も駐車もできるから、
「車ドライバーもお客様になります」と思っている人もいるようですが、
公道は、原則的に「停車も駐車もしてはいけない」と考えるべきです。
 
 
なお、どうしても同一の敷地内には設置できない場合、
下の図のように、
通行車両のほとんどない狭い道を挟んでいるようなら、
「ほぼ同一の敷地」として考えても良いでしょう。
 
交通量の少ない道路の向こう側に敷地

 


 
2.店前道路から進入できること
 
これは、当たり前のように聞こえるかもしれません。
あえて言う必要がないくらい重要なことです。

しかし、これが実現されていないことが、
しばしば見受けられるのです。

 

例えば、
「店前に進入間口はあるが、間口幅は5mしかない」
といった場合です。
 
これでは、店前道路からの進入はきわめて困難になり、
「店前道路から進入できる」とは言えません。
 
進入間口は最低限6mは必要です。
 
敷地間口が広くフラットな駐車場

 
また、よく見かける事例にあるのが、

数店~10店前後の店が同一敷地を共有している

というような場合です。
郊外立地に多く見られます。
 
この場合、敷地がきわめて広大になるため、
駐車場への進入間口が、自店舗から、
かなり離れたところに設置される場合があります

 
つまり、自店舗の周囲には、間口がない。
 
これでは、店前道路からお客さんを集客しようにも、
きわめてやりづらいものになります。
 

 


 
3.車1台分の幅は2.5m以上
 
車を停めるのに十分な幅を確保しましょう。

この幅をもっと狭くすれば、同じ敷地でも、
より多くの台数を確保できるように思えます。
 
しかし、これを例えば2.3mにしたら、
途端にその幅内に入れない車が続出します。

たった0.2m・・・つまり20cm狭くなっただけで、途端に、

「狭くてちゃんと停車できない!」
 
というケースが多発するようになるのです。
 
すると、駐車する車が少しづつズレて、
結局、思った通りにはならないのです。
 
2.5mで23台止められる駐車場だったとして、
それを2.3mにすれば、理論上は、
0.2m×23で4.6mの隙間ができますから、
さらに2台止められる計算になります。
 
では、駐車台数は25台になるかというと・・・・
そうはいかないのですね。
 
2.3mにしてしまうと、狭すぎて、
「うまく駐車できず結局隣にはみ出す」
というようなことが発生しやすくなります。
 
隣の車がはみ出して駐車していると、
その隣には止めたくないものですから、
1台分空けて駐車する人が続出します。
 
そして、その車もまた、うまく止められず、
はみ出してしまってるとしたら・・・・
 
駐車台数は増えるどころか、効率が下がり、
かえって減ってしまう
ことになりかねないのです。
 
 


 
4.駐車場の入口も出口も道路から見えること
 
これは、ポイント2と同じようですが、少し異なります。
 
物理的には容易にインアウトできるはずなのに、
入口が見えないので入れない。
出口から道路がよく見えないので出られない。
 
そういった現象が起き得るのです。
 
例えば、その原因となるものに、
“のぼり旗”があります。
 
写真1 のぼり旗が邪魔2

 
のぼり旗は、お店の営業感、つまりは、
「営業中です」という雰囲気を出すために、有効です。
 
しかし、その扱い方には注意を要します。
インアウトに支障が出てしまうような場所に置いては、
むしろお客さんを遠ざけてしまうことになり、本末転倒です。
 
「のぼり旗が邪魔で、入口がわからない」
「のぼり旗が邪魔で見通しがきかなくて、
出るのがたいへんだった」
とお客様に思わせてはいけません。
 



 
 
5.駐車場内に樹木や大きな構造物を設置しない
 
多少、敷地が広いと、デザイン的な良さを求めてなのか、
樹木などを駐車場内に設置している店を見かけます。
 
写真2 駐車場に樹木

 
これでは、せっかくの面積が無駄になるばかりか、
駐車場の見通しも悪くします

見通しが悪くなれば、駐車場の使い勝手もまた、
悪くなるということです。
 
また、照明塔などの構造物が何の囲いもなく立っていたりすると、
車がバックしたりするときに死角ができたり、
車同士の接触事故など、思わぬ危険をもたらします。
 
駐車場の敷地内には、極力、他に何も構造物を置かない、
ということが理想的
です。
 
どうしても設置する場合は、ドライバーの運転の邪魔にならないか、
しっかり確認してからにしましょう。
 
 



 
6.夜間照明が全体に行き渡るようにすること
 
これは、駐車場が広ければ広いほど求められることです。
 
また、ローカルな地域でも同様です。
夜間照明は防犯上欠くべきではないものです。
 
駐車場に暗がりができてしまうような店には、
人々は基本的には行きたがりません。
 
自店舗の駐車場の明るさを他の店と比較して、
検証してみることをお勧めします。
 
写真3 十分な駐車場照明

 
 
また、できるならば・・・・
駐車場全体を常に監視できる防犯カメラの設置も、
お勧めしたい
ところです。
 
飲食店に強盗が押し入るような事件も時折発生し、
お店側が思う以上に、お客さんは、
お店の「安全性」を気にしています。
 
ロードサイドの店舗では、それが、
「駐車場の明るさ」に如実に表れるものです。
 
暗い駐車場であるがゆえに、
お客さんを逃しているお店はいくつもあり、
それはとてももったいないことです。
 
 
 



7.十分な駐車台数があること
 
何台停められれば十分と言えるのか、
これについての明確な基準はありません。
 
それぞれの業種業態、あるいは、
立地によっても違ってきます。
 
しかし、例えば、

「席数が100席あるのに、駐車台数が5台しかない」
 
というのは、明らかに不足なのはわかりますよね。

徒歩でも来店できる立地ならいいですが、
基本的に車で来店するようなお店ならば、

駐車場が埋まり切っても、席が埋まらない。
駐車場が足りなくて機会損失を起こす。

 
というようなことは、極力避けるべきです。
 

ちなみに、駐車場台数は、立地はともかく、
お店の標準規格として決めてしまうことも重要です。
 
 
例えばチェーンレストランでは、
概ね30台以上としているようです。

 
とりわけ、お客様の滞在時間が長いほど、
駐車台数は多く必要になることがわかっています。
 
 
滞在時間と駐車台数の関係

 
 
これは、店内の席数を考える時と一緒ですね。

回転率が低いお店で売上げを高く取りたいなら、
席数を増やして一度に入れられる客数を増やす
ことです。
 
逆に、席数が少なくても、回転率が高いなら、
多くのお客さんをさばくことができます

 
駐車場も、そういったイメージで捉えてみましょう。
 
 
また、
 
「(客席数+店内で待たせることができる人数)÷同伴人数」
 
で計算するのも、ひとつの目安とです。
 
すなわち、客席と待合スペースが合わせて40人分で、
お客さん1グループの平均が2~3人であるならば、
概ね15~20台くらいが必要ということです。
 
 
 
 
 






以上が、お客さんに使いやすいと感じてもらうための、
駐車場の7つのチェックポイントでした。
 
絶対にこれら7つすべてを満たしてなければいけない、
というものではありませんが・・・・
 
満たす項目がひとつ減るごとに、
確実にお客さんは減るとお考えください。
 
駐車場があるにはあっても、
この7つのどれも満たしていないならば、
「駐車場がある」とは言えません。
 
 
なお、余談ですが、駐車場に車が最も止めやすいのは、
以下の図のように、斜めにスペースが取ってあることです。
敷地に余裕があるアメリカではよく見かけますね。
 
図4 斜め型駐車場


日本ではあまり見かけませんが、
郊外立地などで敷地に余裕があるようなら、
このように駐車できるよう、
ラインを引くのも工夫のひとつです。
 
 


 
最後に・・・・

今回は、ロードサイド立地に絞った話になり、
駅前をはじめ通行人対象立地に出店希望の方には、
あまり馴染みのない内容だったかもしれません。
 
というわけで、通行人対象立地の場合は、
物件についてどんなことを気を付けたらいいのか。
 
それも、7つのチェックポイントとして、
別記事にまとめてあります。
 
 
土地・建物制約における7つのチェックポイント




□■□■□■□■□■□■□■□■

<Facebookページ開設しました!「いいね」クリックをお願いします!>
売れるお店をどんどん増やしたい人のための立地判定・商圏分析・売上予測
https://www.facebook.com/sorbics/
↑上のリンクをクリックして、ページに「いいね」をお願いします。
立地や売上予測に関するお得情報を発信しています。


<もっと立地を勉強したい方へ!>

☆立地と売上予測の無料ノウハウメルマガ☆
『ソルブ通信』 (有限会社ソルブ発行)
こちらから登録できます。
http://form.sorb.co.jp/fm/mailUserExt/showRegisterForm?gpid=rbdZriPid2kUu5EjZzb
毎週火曜・木曜の2回発行!お役立ちノウハウやツール情報満載です!


あなたの商売を助ける「立地選び」のヒント
林原安徳著
「最新版これが『繁盛立地』だ!」
「最新版これが『繁盛立地』だ!」
Amazonで購入できます!
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4495558528/sorb-22/


<パートナー企業>

立地判定と売上予測のパイオニア
有限会社ソルブ
http://www.sorb.co.jp/
全国のショップビジネス経営者の立地判定・売上予測・出店戦略をサポート。
商圏分析ソフトの販売も行っております。
SORBロゴマーク
林原琢磨はソルブの立地調査・売上予測エージェントとしても活動しています。


法人の方や2店舗目以降のご相談はソルブ、
個人の方の「はじめての開業」のご相談は林原琢磨へ、
それぞれお問い合わせください。


☆林原琢磨へお問い合わせはこちら☆


※申し訳ございません。
現在、ブログからのクライアント募集は締め切らせていただいております。
Facebookなどで繋がっており、私の人となりを知っていただいている方を優先させていただいておりますので、ご承知おきください。

お急ぎのご相談は、ソルブまでお問い合わせいただければと思います。

それ以外の方は、よろしければFacebookにて友人申請をいただけると嬉しいです。
↓↓↓↓


林原琢磨Facebook個人ページ

2017春~夏FBプロフ写真

https://www.facebook.com/takuma.hayashihara


「林原琢磨ってどんな人物なのだろうか」
「本当にこの人間に仕事を依頼していいものだろうか」
「ちゃんと信頼できるのだろうか」

そうしたご不安は、当然あるかと思います。
出店は、個人でも法人でも、一大プロジェクトなのですから。

ただ、だからこそ、少しでも興味を持っていただけたなら、
どうぞFacebookで繋がってください。
もちろん、基本的に問い合わせられない限り、
こちらから営業をかけることは一切ありません。

私は、Facebookに、
立地のノウハウも、
愛する人のことも、
プライベートな日常も、
マイナスの面でさえも、
あるがままをさらしております。

それをご覧いただき、お見定めください。

そして、「信じられる」と思っていただいた方だけ、
直接ご連絡いただければと思います。


ビジネスには、「お互いの」信頼が、とても大切です。

そしてそれは、「ビジネスライクなお付き合い」をしていても、
芽生えるものではないと、私は考えています。

少なくとも私がしていきたいビジネスの形は、
そういったものではありません。


仕事をするビジネス面での人間である前に、
誰もが、ひとりの人格ある人間です。

ですから、まず、人として繋がり合い、
「この人に仕事をお願いしたい」と思っていただき、
「この人からの仕事をお受けしたい」と私自身も思えること。

そういう、お客さんとの関係性の中で、
私は、こうして私の立地コンサルティングのノウハウを、
その人のために、活かしていきたいと考えています。

ご理解いただければ幸いです。


□■□■□■□■□■□■□■□■


小売・飲食業 ブログランキングへ


にほんブログ村


Comment

  • 2017/09/21 (Thu) 13:38
    藍野弘一 #- - URL
    駐車場規格に関して

    残念なことにお客様が使いやすい駐車場に規格としては、林原さんのおっしゃる2.5m幅は時代遅れの規格であり、今は大手流通業などの駐車場規格は幅2.8mが常識です。
    理由は1989年税制改正以降、ワゴン車RV車を始めコンパクトカーにまで3ナンバー車が出る等、日本車の車幅の拡大がすすみ、旧建設省規格の2.5mでは乗り降りに差し障りのある場合が増えたことによります。
    また、現代の商業施設の駐車場は2重線で車と車の間隔をコントロールするのも常識です。ただし2重線幅は30-40㎝のものも見受けられますが、正しくは80㎝幅になります。これには日本の車の設計とヒューマンスケールに基づく明確な理由があります。
    長さもむやみに長ければ良いのではなく、ドライバー心理を活かした短めの設定にします。それにより自然と整列駐車になるように促します。
    駐車場幅以上に重要な要素は駐車場の乗り出しスペースで、駐車場の前に7m幅の乗り出しスペースをとるとMサイズ車クラスでも切り返し無しに出入りが出来てお客様のストレスが無くなります。
    貴文章にもある通り、台数を増やすために詰め込むよりも使いやすい駐車場を作ることで集客と回転を高めることが重要ですが、残念ながら貴文章の駐車場に関する知見は他の実務的な貴文章に比べて、格段にレベルが低く残念に思いコメントさせてもらいました。

  • 2017/09/25 (Mon) 11:21
    お店の立地判定と売上予測のプロ 林原琢磨 #- - URL
    Re: 駐車場規格に関して

    > 残念なことにお客様が使いやすい駐車場に規格としては、林原さんのおっしゃる2.5m幅は時代遅れの規格であり、今は大手流通業などの駐車場規格は幅2.8mが常識です。
    > 理由は1989年税制改正以降、ワゴン車RV車を始めコンパクトカーにまで3ナンバー車が出る等、日本車の車幅の拡大がすすみ、旧建設省規格の2.5mでは乗り降りに差し障りのある場合が増えたことによります。
    > また、現代の商業施設の駐車場は2重線で車と車の間隔をコントロールするのも常識です。ただし2重線幅は30-40㎝のものも見受けられますが、正しくは80㎝幅になります。これには日本の車の設計とヒューマンスケールに基づく明確な理由があります。
    > 長さもむやみに長ければ良いのではなく、ドライバー心理を活かした短めの設定にします。それにより自然と整列駐車になるように促します。
    > 駐車場幅以上に重要な要素は駐車場の乗り出しスペースで、駐車場の前に7m幅の乗り出しスペースをとるとMサイズ車クラスでも切り返し無しに出入りが出来てお客様のストレスが無くなります。
    > 貴文章にもある通り、台数を増やすために詰め込むよりも使いやすい駐車場を作ることで集客と回転を高めることが重要ですが、残念ながら貴文章の駐車場に関する知見は他の実務的な貴文章に比べて、格段にレベルが低く残念に思いコメントさせてもらいました。


    藍野弘一様

    貴重なご意見、コメントいただきありがとうございます。
    藍野様の仰る通り、私の駐車場の知見については、だいぶ古いデータを元に書いてしまっていたようです。
    こうしてお教えいただけると、至らなさを反省する機会になり、佳き学びになります。ご指摘いただき感謝いたします。

    戒めの意味でも、本文を修正するのではなく、脚注を入れて、藍野様にお書きいただいたコメントに繋げる形にしたいと思います。


    いつもブログ、メルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
    これからもよろしくお願いいたします。

    林原琢磨

  • 2017/09/25 (Mon) 12:50
    お店の立地判定と売上予測のプロ 林原琢磨 #- - URL
    Re: 駐車場規格に関して

    そして、藍野様、僭越ながら、もう1点お教えいただけると幸いです。
     
    藍野様の仰るような、
    「今は大手流通業などの駐車場規格は幅2.8mが常識」
    ということにつきまして、どこかに情報ソースはございますでしょうか?
     
    ご指摘いただき、調べてはみたのですが、見つけられない状況です。

    駐車の必要スペース寸法
    http://w-wallet.com/page925.html
     
    駐車スペースの寸法について
    https://parking.kanbanshop.jp/contents/parkingspace.php
     
    商業施設駐車場
    http://blog.livedoor.jp/rebornestate2/archives/51879201.html


    藍野様の仰ることの論理は分かるので、おそらく、「2.5mより2.8mあった方がもっと乗り降りしやすい」ということで、それを推奨されることは理解できます。

    その上で、規格を本文章で2.5mとしたことについて「格段にレベルが低く」と仰られる根拠をご提示いただけると、より勉強になり嬉しく思います。

    また、「大手流通業」ではどうなのか存じ上げませんが、飲食業やサービス業など、「ショップビジネス全体」で見た時は、いかがでしょうか。
    私が独自にチェックしてみた所感では、まだ「2.5m」も多いように見受けられます。

     
    わざわざコメントをいただけましたので、これを機により洞察を深めたく思い、ご質問させていただきました。
    よろしくお願いいたします。

  • 2017/10/10 (Tue) 13:18
    藍野弘一 #- - URL
    No title

    コメントへの返信をお送りいただきながら気づくのが遅れ失礼いたしました。

    まずドア開口幅ですが、成人男性の肩幅50㎝+ドア幅20㎝=70㎝の前後に、日本の車はファーストノッチがかかる設計になっていますので、二重線幅が80㎝あると乗り降りに無理な姿勢をとらずとも、隣の車にドアをあてる心配がなく乗り降りできます。
    2.5mの場合は、5ナンバーの車幅1.7m+80㎝で2.5mになりますが、日本の車は1989年の税制改正後5ナンバーのセダンが売れなくなり、サイズアップの車、特にワゴン車のシェアが上がり、その多くは3ナンバー車になり、ボディサイズは1.7mを超えるものが増えました。ちなみに現在はトヨタの販売車の4割、日産は軽を除く登録車の半分が車幅1.7m超の3ナンバーになります。
    しかし駐車場規格は昔のままのところが多く、旧規格の2.5m幅は使いにくい駐車場になりました。いち早く気付いたのはコンビニ各社で、大手コンビニはいずれも2.8m幅にマニュアルを改訂し対応しましたし、イオンモールなど大型ショッピングセンターも新しいモールではこのサイズになっています。つまり旧建設省等のガイドなどではなく大手小売業者からこうした新しい規格への対応が進んでいき、国交省道路構造令では時代遅れのままですし、住宅や企業の5ナンバー対応最低幅の固定利用者の駐車場向けの2.3m幅を不特定利用者が利用する駐車場向けに記載している行政すらあります。中小建設業者・工務店に任せきりにする中小商業者の店舗は今でもこの時代遅れの2.5m規格のままに新しい店を作っているという状態です。また既存店の改修はほとんど進んでいません。
    こうしたところは二重線の導入もないケースがほとんどですし、まして80㎝という人間工学的に正しい設計をしているところは大手小売業でもコンビニなどを除きほとんどありません。二重線の意味は車の間隔を整え、線内に停車する限りはドア開口幅の空間を自然に確保でき、乗り降りに充分な幅を無理なく確保できるようにするものです。
    ちなみに私は大手自動車会社の店舗開発企画部在職時にで販売店の設計マニュアルを上記内容で一新しましたが、こうした店作りマニュアルの無いところでは、なおさら既存店は昔の規格のままになっていますね。

    今回は車の幅の拡大に応じた2.8m幅の駐車場新規格が利用者の使い勝手に敏感な一部大手のみならずより多くの商業店舗に採用されるように、とくに私の推奨する80㎝幅の人間工学的に妥当な二重線幅が、早く一般的になるように、あえて中小流通サービス業に影響力の大きいこのブログにコメントさせていただきました。不特定多数のお客様が利用する商業店舗の駐車場規格は使いやすさが命と思いますので。

  • 2017/10/10 (Tue) 13:38
    藍野弘一 #- - URL
    No title

    2.8mの新規格を常識としているのは駐車場作りの知見が豊富な大手小売業の場合で、大手コンビニ等は90年代から規格を更新していて、大型SCやパチンコ店など郊外立地で女性を含む不特定多数の利用が多い企業では新規格が標準化されてきています。
    残念ながら一般的店舗ではまだ2.8m(80㎝二重線含む)の新規格が標準とは言えないので、はやくお客様駐車場の新常識になってもらいたいですね。
    実務的には奥行き、乗り出し幅、線幅、カラーリング、身障者対応、車止め等付随する規格基準がたくさんありますが、それはまた機会があればコメントします。

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する