なぜ儲からない!?オフィス街出店における3つの問題点

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年間で500件以上のお店を調査する『日本一の繁盛店分析マニア』が綴る、物件探しから販売促進・チェーン展開に至るまで、出店戦略ノウハウの極意!

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よく、就業者のランチ需要を狙う飲食店が、
オフィス街への出店を希望することがあります。
 
 
オフィス街らしいビル群(新橋北西エリア)

 
確かに、いわゆるオフィス街と呼ばれるようなエリアは、
多くの高層ビルが並んでいたり、
通勤時間帯やランチタイムには多くの就業者が道に溢れ、
きわめてビジネスチャンスが多そうに見えることでしょう。
 
 
しかしながら実際は、そうしたエリアでの出店は、
圧倒的に、失敗するリスクの方が大きい
のです。
 
その理由について、解説していきます。
 
 

スーパーの背後に並び立つビル群(名古屋駅西)


 
まず、働きに来る人(就業者)が、
そこの居住者より圧倒的に多い地域を、
 
「オフィス性向」の強い地域、
 
という呼び方をします。
 
統計データ上では、
昼間人口が、夜間人口の、
5倍~20倍ほどになるエリア
のことです。
 
 
こうしたエリアには、次の5つのような特徴があります。
 
 
 
 
1.平日の通行量が時間帯別に大きく変化する
 
→通勤時間帯とランチタイムに集中し、
それ以外の時間帯はほとんど人が歩いていません。
 
 
2.休日の通行量がきわめて少ない
 
→極端な地域ですと、平日の10~20%程度にまで落ち、
平日とはまったく違った街の様相になります。
 
 
3.平日の通行人の大多数が会社員
 
→家族連れや高齢者、主婦や学生がほとんどいません。
 
 
4.平日は男性の比率が高い
 
→いくら女性の社会進出が進んだと言っても、
男性の比率は女性に比べて2倍以上です。
 
 
5.土日・祝祭日は閉店するお店が多い
 
→周辺の店舗が休みになるということは、
休日には商売にならないということを物語っています。
 
 
 
これらが共通して見られるのが、
オフィス性向の強いエリアの特徴です。
 
 
では、どうしてオフィス性向が強いと、
失敗するリスクが高い(儲からない)のでしょうか?
 
普通に考えるのであれば・・・・
周辺の就業者が多ければ、それだけ、
需要が多い
ということです。
 
すなわち、
昼間人口が多い=流入が多い=売れる
という結論になると考えても不思議ではありません。
 
しかしながら実際は、これはとんでもない誤りであり、
上記のように考えて出店してみたら、
現実は全然売れなかった、という事態になるのです。
 
 
 
もちろん、
「休日には人がきわめて少なくなるから」
というのも、理由の一端ではあります。
 
ただし、それだけでは不十分です。
 
「なぜ休日には平日に比べて人がきわめて少ないのか」
をしっかり考察する必要があります。
 
 
そしてそれは、
 
「そこにいる人の大部分が会社員だから」
 
ということです。
 
 
実はここにポイントがあります。
会社員、就業者という客層には、
共通する3つの性質があり、
それこそが、儲からない理由に繋がっているのです。
 
その3つの性質とは、
以下のようなことです。
 
 
オフィス街の街並み(新橋①)

 
 
1.毎日同じ人が同じ道を通る
 
少なくとも通勤者は、基本的には毎日、
同じ道を歩いて通勤します。
 
日々、違う通勤路を通る、という人は、
私の知る限り聞いたことがありません。
 
これは、以前の記事でも書きましたように、
「同じ人」を相手にすると、嫌われたら終わり、
というリスクを抱えているということです。
 

<参考>
地元住民をターゲットにする時の恐ろしい2大リスク


さらには、こうした「同じ人」をターゲットにしていると、
もうひとつ問題があります。
 
それは、「商品が陳腐化してしまう」ということです。
 
早い話が、商品やサービスの目新しさがなくなり、
同じものを売り続けていると、飽きられてしまうということですね。
 
となると、常に新しいものを打ち出し続けなければならず、
このことが店舗運営に大きな負担になってしまいます。
 
 
 
 
2.経済的制約が強い
 
一般的に、会社員の場合、
日々個人的に使えるお金の額は、
そんなに多くはありません。
 
みな、お金を使いに来ているのではなく、
お金を稼ぎに来ている
わけですので、
財布の紐は、基本的には堅いものです。
 
余計な物は買わず、特別な飲食はしません。
そういう意味では、
心理的に制約を受けた状況であると言えます。
 
単に購買単価が低いというだけでなく、
そもそも購買意欲自体があまり無いのです。
 
こうした顧客心理を突くためには、
経済的なメリット、すなわち「安さ」を、
前面に押し出していく必要があります。
 
したがって、価格競争に陥りやすく、
成功できるビジネスモデルが限られてきます

 
 
 
 
 
3.行動範囲が限定される
 
これは1にも関係してくることですが、
基本的に就業者は、決まった道を通って通勤します。
 
毎日、ほとんど同じ時間に、同じ道を使い、
よほどのことが無い限り、それは変わりません。
 
また、通勤時のみならず、移動の際はほぼ、
「目的」ありきで移動しています。
 
取引先へ向かう、駅へ向かう、などに加え、
ランチをする際にも、時間が限られているゆえ、
あまり飲食エリアを回遊するということはなく、
どのお店に行くかほぼ決まった状態で、
目的来店する場合が多くなります。
 
人は、目的を持ってそれに向かって行動している時、
「信号で止まりたくない」
「効率的に歩きたい」
「できるだけ近道したい」

など、行動にも効率性を求めたがります。
 
したがって、常に最短距離で歩く傾向が強くなり、
これが何を意味するかと言うと、
「動線から外れた場所には行きたくない」
という気持ちが強くなる、ということです。
 
オフィス性向の強い地域では、
通勤動線から5m離れるだけでも危険であり、
10m以上離れると売上げにきわめて大打撃

というケースが頻発します。
 
 
 
 
 
 
以上のような3つの問題点から、
オフィス性向の強い地域では儲からない、
という現実が引き起こされているのです。
 
 
たとえそこに人は多くいたとしても、
その人たちが、「お客さんに成り得る人」でなければ、
商売にとってまったく意味はありません。

 
 
オフィス街に、ちょっと目新しいビルができると、
その低階層に、飲食店その他のお店が入ります。
 
しかし、乱暴な言い方にはなりますが、
そういうものは大抵失敗すると見ていいでしょう。
 
それは上記のような商圏の問題もきわめて大きいことに加え、
オフィスビル内の立地は建物構造的にも、
多くのマイナス要因をはらんでいることが多いからです。
 
 
 
オフィス街への出店が、いかにリスクがあるか、
お分かりいただけるでしょうか?
 
もちろん、絶対に良くないというわけではありません。
 
上記のリスクを勘案し、しっかりと就業者の心理を突いた、
いわゆる「商圏にマッチした業態」が作れれば、
確かに流入自体は多いわけですから、チャンスは大きいと言えます。
 
 
「会社員のランチタイムを狙いたい」というような、
軽々しい気持ちで手を出すのではなく、
繁華街に出店することの何倍も立地を厳しく見て、
チャレンジするようにしてください。

 
 
 
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