立地調査の部署がある・なしで、チェーンの命運はこんなにも違う!!(検証データあり)

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年間で500件以上のお店を調査する『日本一の繁盛店分析マニア』が綴る、物件探しから販売促進・チェーン展開に至るまで、出店戦略ノウハウの極意!

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ショップビジネスにおいて、立地は大切だと、多くの人が思っています。知っています。
僕も口酸っぱく言ってますし、だからこそ、こうしてブログで立地についてばっかり書いています。
 
けれども、
 
「大切とは言うけれど、実際どれほど大切なの?」
 
「重要だとは思うけど、費用対効果を考えたらそこまでして注力しなくてもいいんじゃ?」

 
というように、その重要度合いについては、考え方が色々あるようですね。
 
 
 
まぁ、個人さんや、5店舗未満の小規模チェーンなど、
まだ経験が浅い人たちならば、それも仕方ないでしょう。
そもそも、立地のパワーを「実感」する機会に乏しいですからね。
 
 
なので、そういう方々は口を揃えて言います。
 
「立地を考えるのは、もう少ししてからでいい」
 
と。
もう少し店舗数が増えてから、
もう少し売上げが軌道に乗ってから、
もう少し資金に余裕ができてから・・・・と。
 
 
立地の戦略を打つことができるのは、
資本のしっかりしている大きなチェーンだからだという思い込みが、あるからです。
 
逆に、そういう人たちは、大きなチェーンはすべからくみんな、
立地調査・売上予測のシステムを持っているものだという思い込みも、あります。
 
 
  
では、数十店舗は出店しているような大きなチェーンには、「必ず」立地調査の部署があるのでしょうか?
売上予測のノウハウを持っているものなのでしょうか?
 
 
 
答えは、『NO』です。
 
 
 
父の代から20年以上、数多くのチェーン店・個人店を見させていただいてきていますが・・・・
 
100店舗を超える店舗数を持っていても、
本当にしっかりとした立地判定・売上予測のノウハウを確立しているチェーンは、一部に限られるのです。
 
「立地調査」の部署そのものが無い企業も多いですし、あっても実の伴わないハリボテの場合も多々あります。
 
 
チェーン企業といえども、立地の問題を持て余しているところは沢山あるのです。
 
大切だとは分かっているから部署は作ってみるけれども上手くいかない、っていう企業はまだマシで、
上手くいかないって思うから、わざわざお金をかけて調査する部署なんか作る気もない、っていう企業も。

 
 
けれども、立地調査・売上予測の部署がある企業と無い企業では、
店舗数の伸び率に、大きな違いがあるということが分かりました。
 
これは、実際に過去20年間に、大きなチェーン店を比較していて分かったことです。
 
 
 
まず、下のグラフを見てください。
 
調査部門と店舗数の関係1
 
 
A社(赤の線)
 
は、調査部門を持たず、急速に店舗展開してきました。
このグラフの時点では、店舗数は最多です。
 
確かに、100店舗以下の時っていうのは、調査部門を持たない方が、
スピーディに出店をできたりするんですよね。
なぜなら、「社長」や「経験豊富な古参」が、自身の勘と経験で判断できるからです。
店舗数が多くなると、時間的・体力的に、全てを一人では見れませんが・・・・
100店舗くらいまでは、社長の仕事は「出店」のみと言っても過言ではありません。
 
 
B社(青の線)
 
は、元々調査部門はあったのですが、上記のような理由で、
途中から軽視し始め、精密さよりもスピードを求めたパターンです。
 
 
C社(緑の線)
 
は、A・Bに比べると初動は遅かったものの、20店舗くらい出店したところで、しっかりとした調査部門を立ち上げました。
コンサルタントも入れ、本格的にノウハウの蓄積を開始したのです。
 
 
 
 
さぁ、では、これらの3社、これからどうなっていったでしょうか?
 
こういう事例で出してる時点で、おそらく予想できてしまうとは思いますが・・・・
一社ずつ、見て行きましょう。
 
 
 
まず、A社
 
調査部門と店舗数の関係2A社の隆盛
 
 
この後、店舗数は激減。チェーンとしての大低迷を招きました。
こういうケースは、実は多々あるのですが・・・・
例えば、「焼き牛丼」の某チェーンなんかは、こういう推移をしましたよね。
 
ある時期は東京中にお店があったものですが、今では、ほとんど見なくなりました。
(このグラフ自体はそのチェーンの直接のデータではありませんが)
 
 
短い期間内での急速な店舗展開は、様々なリスクがあります。
 
例えばそのうちのひとつが、
「ひとつの出店の成功・失敗の結果が出る前に新しい店を出すため、
失敗だったとしてもその教訓が活かされるのは先の話になる」

ということです。
 
本来であれば、1店舗出したら、そのお店の成功や失敗を見て、
次の出店にチャレンジするのが普通です。
 
だいたい、「新規出店」なんていうのは、相当変なところに出店しない限り、
オープン直後は物珍しさもあって繁盛するものなのです。
だから、オープンから3~6ヶ月くらいはしないと、売上げは安定してきません。
 
6ヶ月の間に、仮に10店舗出したとして・・・・
その最初の6ヶ月はどこも売れるので、成功と見えるかもしれません。
しかし、6カ月後にその10店舗が全部赤字になっている恐れもあるのです。
 
 
根拠の無いスピード出店をしていると、こういうリスクに遭遇する可能性が高くなります。
 
 
このA社も、急速展開のツケを、後から払うことになり、
出店も急速なら撤退も急速でした。
 
調査部門が無かったために、「失敗の原因」を調査することもできず、
どんどん負債を抱えて、沈んでいったのです。

 
 
 
 
それから、B社
 
調査部門と店舗数の関係3A社とB社の隆盛
 
 
早い段階で調査部門はあったので、最初の頃は安定していました。
チェーンとしてはそこそこの店舗数まで展開していけました。
 
100店舗くらいまではしっかり調査をしながら順調に店舗数を増やしていきました。
しかし、3ケタの大台に乗ったところで、油断をし始めたのです。
そして、300店舗を超えたあたりで限界がきました。
 
100店舗から300店舗になる間に、100店舗の時には無かった新しい立地が出てきます。
調査部門を軽視し始めていたので、その新しい立地に対するノウハウが溜まらなかったのです。
 
 
100店舗以下の時に作った出店戦略のモデルを、300店舗を超えても使い続けようとしますが、
ショップビジネスは「ナマモノ」です。
どんどん、状況は変化していくのです。
 
街の状況やチェーン全体の状況も変わり、メニューや客層も少しずつ変わり、
様々な立地に出店していくようにもなるし、競合の業態も増えてきます。
 
しかし、新たにそれらを分析する基盤を持っていないため、変化に対応できません。
結局、200店舗を超えたあたりから、出店・撤退を繰り返すようになってしまいます。
 
100店舗の時代に作った売上予測モデルは、すでに使い物にならなくなってしまったからです。
 
 
 
 
そして、C社
 
調査部門と店舗数の関係4A社とB社とC社の隆盛
 
 
3社の中で最も時間は掛かりましたが、地道にずっとデータ収集を続けてきました。
どんな立地でなら売れるのか、
どんな立地では売れないのか、

自社の店舗を題材につぶさに分析してきたのです。
 
おかげで、様々なノウハウが社内に溜まる結果になりました。
そのノウハウは、自社業態だけでなく・・・・吸収合併した他の企業の業態の分析にも応用できました。
 
新しいチェーンを併合するたび、そのノウハウを用いて、その新しいチェーンの売上予測モデルをしっかり作ります。
その甲斐あって、併合したチェーンも、その後どんどん店舗数を増やすことができていました。
 
 
調査部門を持ち続けるということは、
「変化する時代の流れに対応し続けられる出店戦略を作る」
ということと同義です。
 
それができる企業の店舗数が伸びていくのは、当然の道理だと思います。
 
 
 
 
 
このように、調査部門を持つチェーンと持たないチェーンで、
店舗数の推移には大きな違いが生まれていました。
 
 
調査部門を持たなければ、出店に失敗をしても、
その理由を突きとめることができません。

 
失敗の理由が分からなければ、ずっと失敗し続けるのは当然です。
お金と勢いがあれば、数十店舗から100店舗くらいまでは増やしていけるでしょうが、
そこから先が、頭打ちになってしまうのは自明の理です。
 
最初だけスピーディに店舗数を増やすことができても、
それらの店舗が利益が取れていないなら、意味はありません。
 
 
 
一方で、調査部門があれば、出店のスピードは遅くなるかもしれません。
ちゃんと調査・分析するのには時間が掛かりますし、
売上予測が悪ければ出店しないという判断にもなるからです。
 
ですので、とにかく多店舗展開を焦る企業さんなんかは、
調査をおざなりにして店舗開発ばかりに手間暇かけるところも多いです。
 
しかし、こうなってしまうと・・・・
 
店舗開発は、個人の経験に非常に依存するところがある仕事なので、
「売れない物件」に出してしまう危険性も高いですし、
逆に臆病になり過ぎて「赤字にはならないが利益の少ない物件」にばかり出店してしまい、
そのせいで、全然企業としての資金が溜まらないというケースも多々あります。
 
 
調査部門があれば、店舗開発はとにかく物件を探してくることに注力でき、
さらには、そもそも「どんな物件を探したらいいか」の基準ができているので、
より効率的に物件情報を集められるというわけです。
 
 
こういうアドバンテージは、20店舗前後くらいまでは、
ちょっと気付きにくいかもしれません。
 
しかし、50店舗を超え、さらに100店舗の大台に乗った時、
この出店基準があるのと無いのとでは、
出店の効率・スピードがまったく違ってきます。
 
当初は「調査しているおかげで出店に時間が掛かる」だったのが、
逆に「調査をしていたおかげで明確な基準ができて、物件を探す効率が高まって出店スピードが上がる」になるのです。
 
 
社長が一人で店舗開発していると、良い物件を見分ける目は、
社長一人にしか備わりません。
 
そのため、100店舗を超えて、物件探しをどうしても部下に任せる必要が出てきた時、
社長が物件を選ぶ時の基準を、部下にちゃんと引き継ぐことができないのです。
 
この基準が、調査・分析によって客観的に明確化していると、
誰でもちょっと訓練すれば良い物件を見抜けるようになります。
 
すなわち、店舗開発の人数を増やせば増やすほど、
どんどん良い物件の情報を得られるようになるのです。
 
 
 
 
 
このようなことが、数多くの企業で見受けられました。
 
かつて栄華を極めた有名チェーンで、100店舗を超えるほどになって、
しかし今やほとんど見かけなくなった・・・・というお店は数多くありますが、
そのほとんどが、僕の知る限り、AやBのケースです。
 
 
 
 
ひと昔前は、今と比べると、チェーンが多店舗化しやすかったと言えます。
そのため、すぐに100店舗の大台に乗ることができました。
 
けれども今は、ひとつの業態でそこまで増やすのはなかなかに難しいものです。
価値観がどんどん多様化していることもあり、日々多種多様な業態が生まれるため、ひとつの業態が飽きられるのが早まっています。
 
だからこそ、早めの調査部門の導入が大切になってくるのです。
 
業態が人々に受け入れられ、地力をしっかり持っているうちに、
効果的な出店によって企業としての利益を得ていく道を探さないと。
 
人々に飽きられ、営業力が落ちてからでは、良い出店はできません。
それに、既存店の売上げを立て直すことで一杯一杯になってしまうでしょう。

 
 
経営者は、店舗を増やしていく気があるのであれば、
「最初の1店舗目から」立地を吟味する必要があると思います。
 
そして、「10店舗を超えたら」、しっかり自社内に、
立地調査をできる部署を作っておくべきです。
もしくは、出店のスピードがまだそんな早くないなら、
外部の調査機関に任せていてもいいでしょう。
 
ただ、「50店舗を超えたら」、もう外部に任せてはいられません。
自社内でスピーディに動かないと、なかなか出店できなくなってしまいます。
 
 
 
企業が、どの辺りで、立地について真剣に考え始めるのか・・・・
 
そのタイミングと、そしてそこで取った行動が、
その後のチェーンの命運を分けるカギになるのです。
 
 
 
先程のグラフは、A・B・Cと3社というように表現しましたが、
実際には、3社どころではありません。もっと多くの企業を見てきました。
(なので正確に言うなら、
A社、B社ではなく、Aパターン、Bパターン)
 
すると、大体どこも、A~Cのいずれかに当てはまるものなのです。
 
 
Aのようには、絶対になってはいけません。
 
Bも、そこそこ悪くはないでしょう。
 
できれば、Cのような展開をしたいですよね。
 
 
BやCのようになるためには、「必ず」、立地を真剣に考えることが欠かせません。
最初の頃にとにかくしっかりした基盤を作って、B。
ショップビジネスをやり続ける限り立地を考え続けて、Cです。
 
 
 
あなたは、自社の未来をどこに持っていきたいのか、しっかり考えていただければと思います。
 
 

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