土地・建物制約における7つのチェックポイント

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年間で500件以上のお店を調査する『日本一の繁盛店分析マニア』が綴る、物件探しから販売促進・チェーン展開に至るまで、出店戦略ノウハウの極意!

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以前に、
「地下や空中階に出店した場合、1階と比べてどれくらい売上げに違いが出るか」
ということについて書かせていただきました。
 
「お店の立地」というと、TGや動線、視界性など、
お客さんの目線やその行動に主に意識が行きがちですが、
 
こうした「物件の建物」自体の制約も、
売上げに大きく影響する立派な「立地要因」です。
 
 
では、今回は、土地や建物の制約において、
他にどんな要因があるのか、ざっとお話いたします。
 
 
細かく挙げていくと、チェックポイントは膨大な数になりますが、
大別すると、以下の7つにまとめられます。
 
これから新規出店を考えていらっしゃる方々は、
物件を見た時、こうしたことにフォーカスしてみてください。
 
 
 
 
1.物件の規模
 
狭すぎても広すぎてもいけません。
業態や商圏、立地に応じて、適正な広さの物件を探しましょう。
 
なお、よく立地相談にて、
 
「何坪がちょうどいいのですか?」
 
と質問されることがありますが、
これといった絶対基準はありません。
 
ポイントとしては、
・ピークカット(満席状態が続くことによる機会損失)が起きにくいこと
です。
 
 
例えばランチタイムに、30席がちょうど満席になるくらいの
入店状況が3回転で1時間続くような立地に、出店するとします。
 
そういう場所で、15席くらいしか確保できない物件ですと、
常にウェイティングがずっとできている状況です。
 
30席が3回転で90人のお客さんが1時間で来るわけですから、
それを15席でしたら、6回転・・・・2時間ですよね。
 
2時間かければ回転するんだからいいや、と思ってはいけません。
ランチタイムのピークは、そんなに長くは続かないからです。
 
へたをしたら、1時間くらいしか続かないことがあります。
すると、15席しか無ければ、3回転で45人しか入店できず、
その時間の売上げは、半減してしまいますね。
 
 
では逆に、60席あればいいのかというと・・・・
それも、違います。
 
ピークタイムが1時間であれば、
「ランチタイムに1時間90人」というのが、
その立地の最大値であるわけです。
 
すなわち、60席あっても、3回転が1.5回転で済む、
というだけの話です。
 
多少は客数も増えるかもしれませんが、
建物の大きさと客数は無関係ですから、
大きければ売上げが高まるということではありません。
 
そして、規模が大きいということはそれだけ、
家賃も高いということですから・・・・
 
ランチのピーク時以外のことを考えると、
「大きすぎて家賃が高くついてしまう」
ということですね。

 
 
 
 
2.階層
 
2F居酒屋の狭い1F階段間口
 
以前にお話したように、
階層が変われば売上げも変わります。
 
一方で、空中階になれば家賃も安くなりますので、
その兼ね合いがつく物件を探すことをおすすめします。
 
 
ただし、注意点として、地下や空中の物件は、
入りやすさや視界性に問題がある場合が多いです。
 
「地下なのにまるで1階にあるように見える」ような物件
見つかると、とても良いですね。
 
なお、物件が1~2階など複数階層である場合、
1階層だけの場合より、売上げは低くなります。
 
同じ30坪の物件があったとしても、
1階層だけで30坪の物件と、
15坪が2階層で30坪の物件だと、
その他の立地要因が同じ評価だったとしても、
5~10%程度、売上げに差が出る恐れがあります。
 
 
加えて、複数階層の場合は往々にして人件費などの経費も
多めにかかることが推測されます。
(1階層だけなら1人で見られる広さでも、
2階層になるとそれぞれ1階層につき1人配置するから)
 
 
 
 
3.建物の形状・地形(じがた)
 
同じ規模の物件でも、その形状によって使い勝手が違います。
 
ベストなのは、より正方形に近い形をした物件です。
 
これが細長くなったり、変形していればいるほど、
空間を効率的に活用することが難しくなります。
 
入口間口が狭くて、奥に細長い物件を、
「うなぎの寝床」
と呼びますが・・・・
こうした物件は、極力避けるべきですね。
 
 
また、ロードサイド物件の場合は、建物自体ももちろんですが、
駐車場まで含めた敷地の形状を必ず意識してください。
 
広さは十分であったとしても、敷地の形状次第では、
駐車場を効率よく配置できない恐れも有ります。
 
 
 
 
4.間口の幅や形状
 
広い間口に店外席で視界性も誘引性もアップ
 
間口は、基本的に広ければ広いほど物件として良好です。
 
通行人対象の店舗間口は、
標準として「5m」以上であることが望ましいでしょう。
これ以上狭くなると、お店への入りにくさが増し、
加えて、視界性もどんどん悪くなります。
 
間口が狭くすごく奥まったラーメン店
 
また、広さ以外にも、間口が変形していたり、
道路からセットバックしていたりすることは、
売上げに少なからぬマイナス影響を与えることが分かっています。
 
段差(階段)があることも、マイナスポイントです。
 
 
また、ロードサイド立地においては、
「車の進入間口」が重要です。
 
進入間口は、「6m」以上であることが必須です。
これ以上狭くなると、入る車と出る車のすれ違いが難しくなります。
 
とりわけ、女性ドライバーは間口の狭さに心理的負担を大きく感じます
「あそこのお店は駐車場に入りにくい」と思われたら、
知らず知らずのうちにお客さんが来なくなってしまう恐れもあるため、
「ちょっとくらい狭くても大丈夫だろう」と油断しないようにしてください。
 
右折レーンもあるし間口も広いし入りやすい
 
なお、店舗間口には、広さや形状の他にも、
売上げを左右する、ある重要なポイントがあります。
 
それは、
「お店の外から中が見えるかどうか」
ということです。
 
人は、知らないお店には多かれ少なかれ警戒心を抱いています。
どんなお店なのか、いざ入ってみてからハズレ、
となってしまうことを無意識に恐れます。
 
そのため、外から中の様子が分かることは、安心感に繋がるのです。
 
ちなみに、このことを調査して分析したレポートがあります。
よかったら読んでみてください。
 
外から「お店の中が見える」だけで売上げが跳ね上がる!?
 
なんと、お店の外から中の様子が分かるお店は、
分からないお店と比べて、平均で約35%も売上げが高かった

ということが分かりました。
 
一概に全てのお店に当てはまることではありませんが、
無視はできない、驚異的な数字ですね。
 
 
 
 
5.看板の置き場所
 
通行人対象立地の物件の場合、袖看板や置き看板の位置次第で、
店前歩行者からお店がどれほど見つけやすいかが変わります。
 
歩行者の視界に自然に入る位置に看板を設置できるかどうか、
必ずしっかりチェックするようにしてください。
 
物件によっては、看板を出せない場合もあります。
そうした場合は、他にちゃんと店舗を目立たせる手段がないか、
必ず対策を考えておくことが大切です。
 
専用階段のある2階店舗
 
また、ロードサイド立地なら、ポール看板を設置できる場合があります。
 
隣接する建物や他店の看板のほか、街路樹などによって隠れないよう、
ドライバーから自然に見つけてもらえる位置はどこか、チェックしてください。
 
こうしたことに関しては、
具体例をこちらでも書いていますのでどうぞ。
 
見えないお店はこうして見えるようになる~看板の設置場所で変わるお店の認知~
 
 
 
 
6.周辺の土地の傾斜(坂道)
 
敷地内に盛り土がしてあって高低差ある
 
チェックしなければならないのは、建物だけではありません。
 
物件周辺の土地の状況もまた、
売上げに大きな影響を与える制約となる可能性があります。
 
そのうちのひとつが、「坂道」です。
 
物件が坂道の途中にある時、これは大きなマイナスポイントになります。
 
店前道路を歩く人たちの意識は、坂を上る(または下る)ことに向かい、
平坦な道にいる時よりも、周囲のお店には向かなくなるからです。
 
また、坂道が多いエリアというのは、それだけで、
「あの辺りは坂が多くて大変だから」と敬遠されがちになり、
人が寄り付きにくくなるのです。
 
さらに、店前道路が傾斜していることで、
物件の建物構造にも影響が出ることがあります。
(店舗間口が変形している等)
 
 
 
 
7.周辺環境
 
土地の構造ももちろんですが、周辺の環境も重要です。
 
店前の自転車
 
例えば、
「入口の前に放置自転車がある」
「物件前が地域のゴミ捨て場」

などは、目に見えて人々の来店を阻害します。
 
また、他にも、
「夕方になると西日が当たる」
「店前道路の歩道が狭く、車通りが多くて危険である」
「鉄道線路が近くて振動が響く」

などなど・・・・
 
「こんな小さなことが」と思えることが、実は、
集客を妨げる大きな原因になっていることは多々あります。
 
こういうことは、実査をする際に、
徹底的にお客さんの立場・目線になって、
感じ取るようにしてください。
 
 
 
 
 
以上、全部で7つのポイントです。
 
これらをしっかり押さえ、
なるべく良い物件を選んで出店していただければと思います。
 
 
なお、どれだけ探しても、『完璧な物件』に巡り合うことは、
現実的には非常に難しい
というのが正直なところ。
 
大抵どんな物件にも、何かしら大なり小なりマイナス点はあるからです。
 
しかしながら・・・・
それをちゃんとチェックし、理解した上で出店することと、
物件を細かく精査せずなんとなくで出店してしまうこととでは、
後々で全然違う結果を生むことになります。
 
しっかり、前もって知っていれば、対策の練りようがあるのですから。
 
そのため、必ずこれらのことを徹底してチェックし、
気になるマイナス点が見つかったならば、
店舗を運営する上でそこをどうフォローするか、
ちゃんとイメージして出店計画を立てるようにしましょう。
 


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